テザー、新たな金トークン「XAUt0」発表|TONチェーンに展開

ステーブルコイン発行大手のテザー社は2日、金担保トークンの新たなバージョン「XAUt0」をTON(The Open Network)ブロックチェーンで開始した。
XAUt0は、同社の既存の金担保ステーブルコインXAUTのオムニチェーン版として位置付けられる。
XAUTは、1トークンが1トロイオンスの金に相当し、スイスの保管庫に保管された物理的な金準備金によって裏付けられている。同社の2025年第1四半期報告書によると、7.7トンの金準備金が確認されている。
LayerZero技術でクロスチェーン機能を実現
XAUt0の最大の特徴は、LayerZeroのOFT(Omnichain Fungible Token)標準を活用したクロスチェーン機能だ。この技術により、仲介者を必要とせずに異なるブロックチェーン間でのトークン移転が可能になる。
従来のXAUTがイーサリアム(ETH)専用だったのに対し、XAUt0は複数のブロックチェーンでの相互運用性を提供する。
これにより、ユーザーは異なるネットワーク間で金担保トークンを自由に移動させることができる。
テザー社は以前、USDT0というクロスチェーン版USDTをOptimismのスーパーチェーンで展開しており、今回のXAUt0もこの戦略の延長線上にある。
テレグラムユーザーへ展開
XAUt0はTONブロックチェーンでの開始により、テレグラムウォレットを通じて利用可能となる。2025年第3四半期には、TONエコシステム全体での採用拡大が予定されている。
現在、金担保トークン市場ではXAUTとPax Gold(PAXG)が競合している。
XAUt0の導入により、テザーは分散型金融(DeFi)分野でのプレゼンス強化を図る。
XAUt0は従来の金市場とは異なり、24時間365日のアクセスを提供し、少額投資も可能にする。
また、保有者はXAUt0をXAUTに交換し、最終的にスイスの住所への物理的な金の配送を受けることができる。
この仕組みにより、デジタル資産の柔軟性と物理的な金の安全性を両立している。