ビットコイン、前日比5%以上の急落｜米国債金利上昇の影響か

ビットコインは7日、前日比で5%以上の大幅な下落を記録した。10.2万ドル台で取引を開始したものの、欧州市場スタートと同時に売りが加速。節目となる10万ドルを割り込み、9.6万ドル台で7日の取引を終えた。これにより、1月3日から積み上げたおよそ5,400ドルの上昇幅を解消した。

また、主要なアルトコインも影響を受け、イーサリアム（ETH）やソラナ（SOL）は6〜7％の下落を記録。アバランチ（AVAX）やチェーンリンク（LINK）はさらに大きな8～9％の下落幅を見せた。

今回発生した暗号資産（仮想通貨）マーケットの急落には、米国経済指標の動向が大きく影響していると考えられる。

米国経済指標の影響

7日の仮想通貨市場急落の背景には、米国の経済指標が大きな影響を与えたと考えられている。特に注目すべきは、11月の雇用動態調査（JOLTS）と12月のISM非製造業購買担当者景気指数（PMI）のデータだ。

米国労働統計局が発表したJOLTSでは、求人件数が予想外に増加した。また、サービス業のPMIも予想を上回る強い結果となった。ただし、指標の結果は、米国経済が依然として好調であることを示唆する一方で、インフレ圧力が加速する懸念を引き起こし、市場に不安をもたらしたようだ。

これらの経済指標の強さは、米国の長期金利の上昇を引き起こした。特に、10年物米国債の利回りが4.68％に達し、数年来の高水準となったことが、市場に大きな影響を与えた。これを受けて、米国株式市場も下落し、1月7日午前中にナスダックは1％以上、S&P500は0.4％の下落を記録した。この株式市場の動きは、投資家のリスク選好を抑制し、仮想通貨市場にも逆風をもたらしたと考えられる。

長期金利の上昇は、債券市場での価格下落を引き起こし、リスク選好が強い投資家の投資行動に大きな影響を与えた。金利が上昇すると、投資家はリスクの高い資産から資金を引き揚げ、安全資産である債券などに資金を移す傾向が強くなる。この結果、ビットコインや株式などのリスク資産に対する売り圧力が強まり、価格が下落することとなった。

このように、米国の長期金利上昇は、株式市場やリスク資産全般に対して売り圧力をかけ、ビットコインをはじめとする仮想通貨市場にも波及したと見られている。

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