Yuga Labs、ApeCoin DAO解散を提案|ApeCo設立を計画

Bored Ape Yacht Club(BAYC)の生みの親であるYuga Labsのグレッグ・ソラノCEOは6日、ApeCoin(APE)の分散型自律組織(DAO)を解散し、新組織「ApeCo」を設立する案を提出した。
提案の目的は、現行ガバナンス体制の非効率性を解消し、エコシステムの発展を加速させる点にある。
ガバナンスの課題と新組織設立の背景
ApeCoin DAOはAPEエコシステムを監督するために設立されたが、意思決定の遅さや「非本格的なガバナンス劇場」と評される機能不全が指摘されている。資源が影響の少ない取り組みに分散され、プロジェクトの焦点が曖昧になることが問題視される。
一方、暗号資産(仮想通貨)市場を牽引するビットコイン(BTC)は明確なビジョンを示している。 この状況を打開するため、Yuga Labsは新組織「ApeCo」の設立を提案した。
提案によれば、ApeCoin DAOが保有するAPEトークン、知的財産(IP)やスマートコントラクト、関連インフラなどの資産はApeCoに移管されるが、既存のAPEステーキング契約や法的債務、その他手数料は対象外とする。同時に、投資家やパートナーシップの継続性は確保される。なお、APEはイーサリアム(ETH)上で発行されたERC-20トークンである。
ApeCoが目指す戦略的集中
新組織ApeCoは、資金提供の優先順位を三つの主要分野に絞る方針を示す。具体的には、ブロックチェーンエコシステムの「ApeChain」、中核プロジェクトである「Bored Ape Yacht Club」、そして没入型メタバースプラットフォーム「OtherSide」がその柱となる。
Yuga Labsは、意思決定を中央集権化することでApeChainの成長など優先度の高い取り組みへのリソース配分を迅速化することを狙う。この戦略転換により、APEの有用性が主要なNFTやメタバース事業と連携し、文化的推進力としての役割が強化される見通しだ。
最終的に、この提案はApeChainを仮想通貨の分野で「最も文化的に意義のある」ブロックチェーンへと進化させることを目指す。
Yuga Labsが直接管理を行い、ApeCoinの方向性を主力プロジェクトに合わせることで、ガバナンスの非効率性を克服する重要な一歩となる。