キャシー・ウッド氏のアーク、387%高サークル株を75億円売却

キャシー・ウッド氏が率いるアークインベストは16日、ステーブルコイン発行企業サークルの株式を約5170万ドル(約75億円)相当売却した。
この売却は、サークル株がIPO価格から387%急騰し、過去最高値を記録した中で行われた。
サークル株の急騰とアークの戦略
売却は、アークが運用する3つのETFを通じて行われた。
内訳はARKKイノベーションETFから19万6367株、ARKW次世代インターネットETFから9万2310株、ARKFフィンテックイノベーションETFから5万3981株である。
サークルの株価は同日、151.06ドルで取引を終え、一時165.6ドルの高値を付けた。
サークルは、第2位のステーブルコインであるUSDコイン(USDC)の運営元であり、6月上旬に11億ドル規模のIPOを経てニューヨーク証券取引所に上場した。
アークは当初、平均取得単価96ドルで約450万株を取得しており、その価値は約3億7300万ドルに上っていた。
今回の売却後も、アークは合計で6億800万ドル相当のサークル株を保有しており、依然として主要株主である。
同社の未実現利益は約1億8500万ドルに達するとみられる。
市場の熱狂と今後の見通し
株価急騰の背景には、ステーブルコインへの投資家の楽観的な見方や、デジタル資産を規制するGENIUS法案への期待感がある。
一方で、一部のアナリストからはサークルの評価額が持続不可能であるとの指摘も出ており、アークは早期に利益を確定させる判断を下した可能性がある。
この動きは、暗号資産(仮想通貨)関連企業の上場に対する市場全体の熱意を反映している。
BithumbやConsensys、クラーケンといった仮想通貨関連企業もIPOを計画していると報じられている。
最大のステーブルコインのテザー(USDT)を発行するテザー社はIPOに慎重な姿勢を示しており、企業戦略の違いが浮き彫りになった。
サークルの成功は、仮想通貨企業にとって新たなサイクルの始まりを示唆するかもしれないが、市場の変動性や規制の動向といったリスクは依然として残る。
このような市場環境の中、代表的なビットコイン(BTC)の動向も投資家から引き続き注目されている。