ネム(XEM)コインは、2021年に大型アップデートがあったことでも有名な暗号資産(仮想通貨)です。ブロックチェーン技術に更なる柔軟性を与える規格であり、PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)アルゴリズムおよびスマート・アセット・システムを基に設計されています。投資の観点からは、2018年、2021年に続く3度目の価格急上昇が期待されています。
ネムとは
ネムとは、ブロックチェーンベースのプラットフォームのことです。ネムの語源はNew Economy Movementで、頭文字を取ってNEM=ネムと呼ばれています。XEMはネムの仮想通貨銘柄で、NEMプラットフォームを利用するのに用いられます。
2015年に立ち上げられたネムは、取引管理とネットワーク上でのアプリケーション開発に焦点を当てたスマートアセットシステムを根幹としています。これはAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)の呼び出しを介したカスタマイズを可能とするもので、プログラミング言語を問わずに機能の制御が可能なのが特徴です。
競合アルトコインには、イーサリアム(ETH)があります。イーサが分散化と透明性に焦点を当てているのに対し、ネムは部分的な中央集権化を目指すプロジェクトです。これにより、ブロックチェーンでプライベートとパブリックという2つの選択肢を提供するとしています。
ネットワーク上の保存されたデータや資産の可視性を制御するのに優れており、企業向けブロックチェーンであるNEOやLiskなどとも競合します。ネムは「モザイク」と呼ばれる仕組みも擁しており、これは通貨や署名など、あらゆる種類の資産を表す形式です。
プルーフ・オブ・インポータンス(PoI)と呼ばれるプロトコルを採用しており、各ノードに割り当てられた重要度スコアに対してコンセンサスをチェックする仕組みが用いられています。簡単に言うと、ユーザーのコイン保有期間に応じてアカウントの重要度が増す仕組みで、ネットワーク上での取引量に応じても重要度分けが行われます。
アカウントが重要と見なされるには、少なくともXEMコインを1万個(5万3600円相当)保有する必要があります。重要度の高いユーザーはブロックの追加を許可される可能性が高まります。
この手順は「ハーベスト」と呼ばれており、ビットコインのマイニングと同様の概念です。マイニングが設備投資を必要とするのに対し、ハーベストは個人が自宅のパソコンを介して行えるのがメリットだとされています。これは、ビットコイン(BTC)の買い方初心者が直面しやすい「初期資金不足」という問題に答えるものだとも言えます。
現在までに約90億コインが作成され、時価総額は3億ドルを突破しています。2018年1月に最高値(1.5796ドル)を記録したXEMですが、その後に2度の下降を経験し、現在は0.036ドル台で価格が安定しています。
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